概要 |
「働き方改革」で労働時間の短縮が求められているが、従業員が労働時間の短縮に前向きであれば、会社としては好都合だ。 食品輸送を行う北王流通㈱(東京都北区)では、2017年から、仕事の効率を高め成果を出した社員に「効率改善手当」という業務手当制度を導入している。 この制度は、短時間で仕事を終わらせた人に対して、手当てを支給する制度だ。 例えばドライバーの場合だと、「ルートの工夫などで配送時間を短縮した」、庫内作業であれば、「より短時間で作業を終わらせた」など、数値で客観的に判断できる業務効率の改善が認められた場合に、手当が支給される。 同社では、「労働時間だけでは仕事の質は測れない。昨今では仕事もプライベートも充実させたいという声が増えて、過剰な長時間労働は敬遠される傾向にあり、それが人手不足にもつながっている。工夫して仕事を早く終わらせた人がきちんと評価される制度を導入した」と説明する。 一生懸命働きたいという思いを持つ一方で、プライベートも充実させたいと考える若手社員を中心に好評という。 物流コンサルの(株)ロジクエストの清水一成氏は、「今まで運送業界では人材に困っていなかったため仕事量の差でこうした手当に差をつけることはあまりなかった。運送業界での働き手が少なくなるに応じて工夫をしなければならなくなった。時間当たりの作業量で差をつけるこの手当は若手人材を呼ぶにはいいと思う」と語った。 |
物流新時代 2019年3月18日掲載 |
「働き方改革」で労働時間の短縮が求められているが、従業員が労働時間の短縮に前向きであれば、会社としては好都合だ。
|