物流新時代掲載 2023年12月18日(月)九州で運送の人材流出加速か「2024年問題前にドライバーが工場に転職」人材流出を止める対策は? |
物流業専門のコンサル会社 ロジクエスト(株)(東京都)の清水一成社長は、 トラックドライバーの製造業への転職・人材流出について5つの原因を指摘する。 ①製造業の給料が高い ②不規則な勤務時間・イレギュラーなシフトではなく規則的な時間で働ける ③土・日で休み・連休・有休が取りやすい ④エアコン完備など働く環境が良い ⑤機械化が進んでおり、運送業に比べ体力仕事ではない そして、「トラックドライバーはパソコンなど事務系スキルが低く、 人とのコミュニケーションが苦手な人も少なくない。 自分から事務や営業の仕事は選べないため、『工場なら何とかなるのでは?』 と考え、消去法で製造業に転職しているのではないか」と話す。 ★歩合給が大きすぎる給与体系を変える★ そして、人材流出を止めるために運送会社が取るべき対策を掲げる ①賃上げ。歩合給が大きすぎる給与体系を変え、一般企業のように 基本給をきちんともらえる安定した仕事にする、 ②働く環境を良くする、 ③名刺を作り、年数を重ねていったら役職をつける。一般企業と 同じように、最低限の会社の仕組み・人事評価制度を整える、 ④ドライバーがスキルアップしていける人材育成の制度構築 を掲げる。 『近年、大手企業では『人的資本経営』が実践されているが、 人を大事に育てることに大手中小の違いはない。 先の見えない会社で働く人はいない。 こんな時代だからこそ、中小企業は余計に人を大切にして いかないと、人材の流出は止められない」と強調する。
|